今回、重力/NoteではRAFT主催企画【文学+-×÷】芥川龍之介編に参加するにあたり、今昔物語集をもとにした芥川の短編『芋粥』を取りあげます。
アトリエ内での研究発表をのぞけば、鹿島以外が演出をする公演は劇団初となります。いつもとはひと味もふた味も違った永井彩子演出にご注目ください!
【文学+-×÷】芥川龍之介編 参加作品
重力/Note 『芋粥』
原作:芥川 龍之介
構成・演出:永井 彩子
出演:平井 光子
宣伝美術:重久 卓也
原案協力:井上 美香
監修:鹿島 将介
制作:小林 由佳 本多 萌恵
主催:NPO法人らふと
《公演日程》
8月27 日(火)・28日(水) 各回 20:00開演
※全席自由・ワンドリンク付
※受付開始・開場は、開演の30分前です。
会場:
RAFT
〒164-0001 中野区中野1-4-4 1F[地図を表示]
http://raftweb.info/map チケット料金:
前売り2,300円 当日2,500円 (ワンドリンク付)
※RAFTにて【文学+-×÷】芥川龍之介編 3 演目セット券 6,000円の
取り扱いもございます。
詳しくは
http://raftweb.info/akutagawa をご覧ください。
《ご予約・お問合せ》
重力/Note
Tel. 080-3750-1069 (受付時間10時~20時)
E-mail
info@jyuuryoku-note.com★メールでご予約の際は、件名を「芥川企画」とし、以下の項目について
ご記入の上、お申し込みください。
(お名前/観覧日時/枚数/ご連絡先/何をご覧になってのご予約か)
メールの送信後、こちらからの返信をもちまして、
予約が完了いたします。2日たっても返信が届かない場合は、
お手数ですが再度メール、もしくは電話にてご連絡ください。
劇団HP
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演出家より
最小多数のドキュメンタリー
芥川の目で切り取る現代の芋粥。
私が芥川龍之介を初めて読んだのは、中学生の頃、新潮文庫の『羅生門・鼻』だった。
そのときの印象は、とにかく毛穴。茹でた鼻の毛穴から白い固まりがにゅぅっと出てくる様や、羅生門の下人が弄るニキビ、
老婆が死人の髪の毛を一本一本抜く姿など、毛穴ひとつひとつに人間の執着や業が詰め込まれている気がして、ひどく醜悪に感じた。そして同時に、とにかく自分の顔の油やニキビが気になった。
この感じは、今でも時々他人と顔をつき合わせた際に気まずさや羞恥心となって現れる。
*毛穴から這い出る、「私」ひとつひとつを、芥川は見逃してくれない。
*「芋粥に飽かむ。」という一言。ニキビとも違う「私」の露呈。
*顔にニキビができればニキビのことを始終考えてしまうが、芋粥は、実現をしないからこそ固執する。
芋粥は夢だ。ピントを調整しながら夢の細部を観察すると、時として欲望は蛇行し、グニャリとゆがむ。
無数の細部に囲まれて生活を送る私たちは、それらを無視することも、夢みることもままならず、眠りまでも浸食されている。
劇場という切り取られた空間の中で、日常の細部を呼び起こし、見ることの暴力性や俗悪さを浮き彫りにする。
芋粥はもう必要ないのか・・・?
永井 彩子